この記事では、宅地建物取引士(宅建士)の登録実務講習のおすすめについてご紹介しています。登録実務講習とは何なのか、どのような場合に受講しなければならないのかなどわからないことが多くて困ってしまいますよね。ここでは、登録実務講習の費用・講習内容・難易度・有効期限などについて詳しく解説していきます。宅建士の登録を考えておられる方は参考にしてみてください。
目次
宅建士の登録に関する要件
宅建士試験に合格しても、誰もが登録できるわけではありません。
登録するには、宅地建物取引業法第18条第1項各号で掲げる欠格要件(成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者など)に該当せず、次の(ア)~(ウ)のいずれかの要件を満たしていないといけません。
(ア)宅地建物取引業の実務(一般管理部門は除く)の経験が2年以上ある者
(イ)国土交通大臣の登録を受けた宅地又は建物の取引に関する実務についての講習(登録実務講習)を修了した者
(ウ)国、地方公共団体又はこれらの出資により設立された法人において宅地又は建物の取得又は処分の業務に従事した期間が通算して2年以上である者
(イ)国土交通大臣の登録を受けた宅地又は建物の取引に関する実務についての講習(登録実務講習)を修了した者
(ウ)国、地方公共団体又はこれらの出資により設立された法人において宅地又は建物の取得又は処分の業務に従事した期間が通算して2年以上である者
2年以上の実務経験か登録実務講習の修了のどちらかが必要ということです。
ここからは登録実務講習について解説していきます。
2年以上の実務経験があって、すぐに登録方法を知りたい方は飛ばしてください。
宅建士の登録実務講習とは
先ほど述べたとおり、宅建士の登録を行うためには2年以上の実務経験か登録実務講習の修了のどちらかが必要となります。
実務についたことがない人はたくさんいるので、そういう人のために登録実務講習が用意されています。
登録実務講習とは、宅地建物取引業法第18条1項及び同法施行規則第13条の16の規定に基づく法定の講習のことです。
この講習を修了すれば、2年以上の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者と認められ、登録を受けることができるようになります。
そのため、2年以上の実務経験がない人は登録実務講習を受講しなければなりません。
逆に言うと、実務経験が2年以上ある人には関係がありません。
では、登録実務講習はどこで受講できるのでしょうか?
登録実務講習は、国土交通大臣の登録を受けた登録実務講習実施機関(大手の資格学校など)で行われています。
そちらで申し込みを行えば受講できます。
【体験談】宅建士の登録実務講習における学習の内容
私は、以前LEC東京リーガルマインドで登録実務講習を受講しました。
その際の体験談をご紹介します。
登録実務講習における学習内容は、試験勉強で学んだことよりもっと実務的なものになります。
主な内容としては次のとおりです。
- 物件の調査の方法について
- 媒介契約について
- 不動産広告、現地案内について
- 売買契約書について
- 重要事項説明書について
ここでは書き切れませんが、他にも実務に必要な基礎知識をいろいろと学習します。
試験のために勉強したことが、どのように実務で活かされるのかなどが実感できます。
個人差はあるかもしれませんが、とても新鮮で面白いです。
【体験談】登録実務講習の実施形態と難易度
登録実務講習は自宅学習(通信)とスクーリング(通学)の2つに分けられていました。
自宅学習
登録実務講習への申し込みを済ませると、スクーリングの約1ヵ月前に教材一式が送られてきます。
まずは、自宅学習(通信)を行わなければなりません。
テキストとDVDを使って学習します。
すべての学習が終われば、一緒に送られてきた通信課程問題を解きます。
特に提出する必要はありませんでしたが、スクーリングの修了試験の出題範囲になっているため、しっかりやっておいた方がよいです。
・テキストとDVD(4枚12時間)
・資料集と通信課程問題
・資料集と通信課程問題
スクーリングと修了試験
自宅学習後、事前に予約しておいた日程でスクーリングが行われます。
スクーリングとは学校の教室に行って授業を受けることです。
2日間(1日のところもあり)で合計12時間行われます。
社会人にとっては久しぶりの授業ということで、眠気との戦いが待っています。
当然ですが、寝ることなく授業を受けないといけません。
それは、最後に修了試験があるためです。
修了試験と言ってもOX問題の簡単なものです。
重要なところは講師が教えてくれます。
そのため、きちんと授業さえ受けていれば、まず落ちることはありませんので安心してください。
・当日配布された演習ワークブック
試験に合格すれば、修了証が交付されます。
これにより、宅建士の登録が可能となります。
(修了証のコピー)
宅建士の登録実務講習の費用と有効期限
宅建士の登録実務講習の費用・有効期限・選び方についてご紹介します。
登録実務講習の費用
登録実務講習は、国土交通大臣の登録を受けた登録実務講習実施機関(大手の資格学校など)で受講できます。
法定の講習ではありますが、受講料は実施機関によって異なります。
20,000円前後が相場となっています。
登録実務講習の有効期限
登録実務講習を修了すると登録実務講習修了証が交付されます。
修了証には有効期限が設けられています。
都道府県により異なりますが、概ね10年間有効となっています。
そのため、期限内に宅建士の登録を行う必要があります。
宅建士の登録実務講習実施機関の選び方
宅建士の登録実務講習実施機関の選び方についてご紹介します。
登録実務講習実施機関を選ぶ際は次の3点に注意するとよいです。
- 受講料
- 場所
- スクーリングの日程
受講料
先ほども述べましたが、登録実務講習実施機関によって受講料が異なります。
受講料を重視する方は少しでも安い実施機関を探すとよいです。
相場は20,000円前後となっています。
場所
登録実務講習にはスクーリングがあります。
そのため、実施機関に行く必要があります。
遠いと行くのが大変です。
できる限り近くて行きやすい実施機関がおすすめです。
スクーリングの日程
登録実務講習は、あらかじめスクーリング日を選んで申し込まなければなりません。
予約制なので、日が空いていないと申込できません。
思った以上に人気があるため、近い日にちでは空いていないことがあります。
スクーリングの日が空いているかどうかで実施機関を選ぶとよいです。
最終的には何を重視するかで選ぶ
私はLECで登録実務講習を受講しました。
LECを選んだのは、近くに学校があったのとLECで他資格の講座を受講したことがあったためです。
私は実施機関が近くにあるかどうかを重視しました。
遠いとスクーリングが大変だと思ったためです。
受講料はそれほど大きくは変わらなかったため、選ぶ際にはほとんど気になりませんでした。
特に急いでいなかったため、都合させ合えばスクーリング日はいつでもよいと考えていました。
もし急いでいたのであれば、少しくらい遠くても他の実施機関で受講していたかもしれません。
登録実務講習は法定の講習のため、受講内容はほぼ同じです。
そのため、受講料・場所・スクーリングの日程のどれを重視するかで選ぶとよいです。
宅建士の主な登録実務講習実施機関
宅建士の主な登録実務講習実施機関は次のとおりです。
登録実務講習実施機関 | 受 講 料 |
---|---|
LEC東京リーガルマインド | 受講料:22,000円(税込) 公式サイトはこちら! |
TAC | 受講料:22,000円(税込) 公式サイトはこちら! |
大原 | 受講料:22,000円(税込) 公式サイトはこちら!大原受講生割引対象者なら21,300円(税込) |
日建学院 | 受講料:インターネット割引後22,000円(税込) 公式サイトはこちら! |
九州不動産専門学院 | 受講料:27,500円(税込) 公式サイトはこちら!割引期間なら13,200円(税込) |
一般社団法人TAKKYO | 受講料:11,800円(税込) 公式サイトはこちら!東京水道橋会場の喫煙者は12,800円(税込) |
Kenビジネススクール | 受講料:21,000円(税込) 公式サイトはこちら! |
一般社団法人職能研修会 | 受講料:20,000円(税込) 公式サイトはこちら! |
日本ビジネス法研究所 | 受講料:27,500円(税込) 公式サイトはこちら!割引期間なら18,000円(税込) |
総合資格学院 | 受講料:20,500円(税込) 公式サイトはこちら! |
Social Bridge | 受講料:20,000円(税込) 公式サイトはこちら!割引期間なら17,000円(税込) |
プライシングジャパン | 受講料:12,100円(税込) 公式サイトはこちら! |
TOP宅建学院 一般社団法人日本就職支援協会 | 受講料:21,000円(税込) 公式サイトはこちら!割引期間なら15,800円(税込) |
時期によっては講習が行われていなかったり、受講料が変動することがあるため、公式サイトでご確認ください!
宅建士の登録方法
2年以上の実務経験がある人や登録実務講習が修了した人は宅建士の登録を行うことができます。
登録の流れは、次のとおりです。
- 登録に必要な書類を揃える
- 都道府県知事に登録を申請する
- 宅地建物取引士証(宅建士証)の交付申請を行う
それまでは宅建士試験合格者です。
なお、試験に合格しても宅建士の登録を行わないという選択も可能です。
つまり、必要になるまで登録しないでおくことができます。
もちろん、登録しなくても合格資格が失われることはありません。
それぞれについて解説していきます。
1.登録に必要な書類を揃える
都道府県知事に登録を申請する前に必要な書類を揃えます。
必要な書類は、次のとおりです。
- 登録申請書
- 誓約書(破産者で復権を得ない者や暴力団員等でないことの証明)
- 身分証明書(成年被後見人及び被保佐人とみなされる者に該当しない旨の証明・破産者に該当しない旨の証明)
- 登記されていないことの証明書(成年被後見人・被保佐人でないことの証明)
- 住民票の写しの原本(申請者本人の分)
- 合格証書の写し(窓口申請の場合は原本も必要)
- 顔写真
- 登録資格を証する書面(実務経験証明書や登録実務講習の修了証など)
- 登録手数料(37,000円、現金での納付が基本であるが一部では収入印紙で納付)
意外と必要な書類が多いです。
身分証明書は本籍地の市区町村、登記されていないことの証明書は法務局で発行してもらいます。
なかなか忙しくて法務局などに行けないことがあるので、できる限り早めに準備にかかった方がよいです。
登録手数料は高く感じますが、行政書士などに比べるとかなり安いです。
すべての書類が揃えばいよいよ申請を行います。
2.都道府県知事に登録を申請する
登録を行うためには、上で解説したように2年以上の実務経験があるか、登録実務講習を修了しているかのどちらかの要件を満たしていないといけません。
さらに、宅地建物取引業法第18条第1項各号で掲げる欠格要件(成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者など)に該当していないという要件も満たす必要があります。
問題なければ、試験を受けた都道府県知事に対して登録の申請を行います。
登録が完了するまでには、申請後約1カ月かかります。
3.宅建士証の交付申請を行う
登録が完了すれば、宅建士証の交付を受けます。
交付申請は、登録した都道府県知事に対して行います。
交付申請手数料4,500円が必要です。
交付申請するには、申請前6カ月以内に実施される知事が指定する法定講習を受けなければなりません。
ただし、宅建士試験合格後1年以内に交付申請する場合はこの講習を受けなくてもよいことになっています。
法定講習の受講料は12,000円となっています。
費用を少しでも抑えたいのなら、合格後1年以内に交付申請まで行うようにしてください。
宅建士証の交付を受ければ、晴れて宅建士を名乗ることができます。
宅建士証には5年間の有効期限が設けられています。
つまり、5年に1回更新しないといけません。
更新するにあたっても、法定講習を受講しなければなりません。
更新を忘れる人が多いので、期限切れには注意が必要です。